学生時代の一時、東北大学男声合唱団で歌っていたことがあり、その縁で４年前に合唱に再び親しむ機会を得ました。私はメンバーの中では若手に属しますが、ＯＢ合唱団の皆さんは恒例となったオペラシティーでの演奏会を目標に一年を通して熱心に練習を続けています。昨年は楽屋裏での裏方に回った私ですが、今回は秋口から大部分の土曜日には練習に参加し、5週間後に迫ったステージに良い状態で乗るべく、意識を３月１１日に向けているところです。

神奈川県で育った私は、晴れた日には富士山や丹沢の山々をあおぎ育ちました。

今回の第１ステージは男声合唱組曲｢富士山｣（草野心平　詩）、作曲者の多田武彦氏は、藤沢在住の銀行員でありながら数々の男声合唱の名曲を生み出した方です。その昔、私たちは学生時代にまだ現役の銀行員であった作曲者を指揮者に迎えて、｢富士山｣を歌ったことがあり、思い出深い曲です。

第２ステージは今回の演奏会のために組曲として作られた｢津和野｣です。津和野出身の画家であり、作家でもある安野光雅氏の作詞に、ＮＨＫの趣味の園芸などで活躍された森ミドリさんの作曲。昨年は森みどりさんはチェレスタ演奏で伴奏に加わりました。今年は伴奏はピアノで小原孝さん。森ミドリさんも安野先生も客席にいらっしゃる予定です。とても親しみのある心に染みる曲だと思います。

第３ステージは間宮芳雄作曲の｢男声合唱のためのコンポジション�Y｣。指揮者に仙台から我らの先輩であり、作曲家である岡崎氏を迎えます。日本の旋律を軸にしたポリフォニーの美しさ、力強さ、面白さを味わって頂けたらと思います。

最終ステージはピアニストの小原等さんと合唱との｢時を超えて｣と題したコラボレーションです。最初の曲は｢丹澤｣。初めてこの曲に接した時はとても懐かしい気持ちになりました。皆さんに親しまれている数々の名曲を含むオリジナルステージです。